国際機関との協力 - 欧州安全保障協力機構(OSCE)
令和4年1月11日
OSCE (Organization for Security and Cooperation in Europe) は、安全保障問題について協力するための世界最大の地域的国際機関です。現在、EUをはじめとする欧州諸国、米国、カナダ、ロシア、中央アジア諸国など計57か国が加盟しています。事務局をウィーンに置き、毎週開催される大使級の会合等には当館から出席しています。2022年には日本とOSCEはパートナーシップ30周年を迎えます。
OSCEについて
OSCEの特徴は、経済、環境、人権、人道分野における問題が安全保障を脅かす要因となるとの考えから、安全保障を軍事的側面のみならずこれらの分野も含め包括的に取り扱っている点にあります。具体的な活動としては、紛争予防のためにOSCE域内に早期警戒、事実調査等を目的とするミッションを派遣したり、紛争解決のために和平プロセスの促進を支援したりしています。近年は選挙監視をはじめとする民主化支援や人権遵守のモニター等に活動の重点が置かれるようになっています。 OSCEはもともと1970年代にCSCE(欧州安全保障協力会議)という会議体として発足した組織でしたが、冷戦終焉後に始まった地域紛争への対応の中で徐々に組織が整備され、1995年1月にOSCEとして常駐機構化しました。 OSCEの運営上中心的役割を果たすのが議長国です。議長国の外相がOSCE議長 (Chairperson-in-Office) を務め、議長国のウィーン駐在大使が意思決定機関である常設理事会の議長を務めます。議長国の任期は1年間です。どの国が議長国を務めるかは、OSCE加盟国 (participating States) のコンセンサスによって決定されます。議長国に加え、前年の議長国及び次期議長国がOSCEトロイカを形成します。OSCEトロイカは、議長国を中心にOSCEにおける意思決定(コンセンサス方式)を主導しています。 OSCE事務総長はOSCE事務局を管理・統括し、OSCE議長を補佐します。ウィーンにあるOSCE事務局(本部)及びメディアの自由代表 (Representative on Freedom of Media) のほか、ワルシャワに民主制度・人権事務所 (ODIHR: Office for Democratic Institutions and Human Rights)、ハーグに少数民族問題高等弁務官 (High Commissioner on National Minorities) が置かれています。さらに、OSCE域内の南・東欧、中央アジアを中心に15の現地事務所等が設置され、民主主義の促進・人権保護等のOSCEコミットメントを履行するための支援をそれぞれ行っています。
日本とOSCE
日本は、1992年7月のヘルシンキ首脳会議に議長国のゲストとして参加して以来、CSCEに参画してきました。日本は、OSCEの加盟国ではありませんが、最も歴史の長い「協力のためのパートナー」(Partner for Cooperation: PfC) の一つとして、OSCEの活動に積極的に参加しています。例えば首脳会議、外相理事会のほか、ウィーンで毎週開催されている常設理事会 (Permanent Council:PC) や、安全保障協力フォーラム (Forum for Security and Cooperation:FSC) 等に出席し、意見交換を行うとともに、日本の取組についても紹介しています。
(注) 現在、アジア・パートナー国(日本、韓国、タイ、アフガニスタン、オーストラリア)、地中海パートナー国(アルジェリア、エジプト、イスラエル、ヨルダン、モロッコ、チュニジア)の11か国がパートナー国になっています。
日本は、OSCEとの間で民主主義、基本的人権、法の支配等の基本的価値を共有し、OSCEとの協力を強化する観点から、選挙監視団への監視要員の派遣、OSCE地域に展開するミッションへの邦人職員の派遣、各種ワークショップへの専門家の派遣を行うとともに、OSCEのプロジェクトへの資金協力を行っています。
第28回OSCE外相理事会(外務省ウェブサイト)
(注) 現在、アジア・パートナー国(日本、韓国、タイ、アフガニスタン、オーストラリア)、地中海パートナー国(アルジェリア、エジプト、イスラエル、ヨルダン、モロッコ、チュニジア)の11か国がパートナー国になっています。
日本は、OSCEとの間で民主主義、基本的人権、法の支配等の基本的価値を共有し、OSCEとの協力を強化する観点から、選挙監視団への監視要員の派遣、OSCE地域に展開するミッションへの邦人職員の派遣、各種ワークショップへの専門家の派遣を行うとともに、OSCEのプロジェクトへの資金協力を行っています。
第28回OSCE外相理事会(外務省ウェブサイト)