オーストリアの在留権取得

(健康保険要件の厳格化とドイツ語履修義務対象者の変更)

1. 在留権の種類
(1)在留許可(Aufenthaltsbewilligung)
~将来的に帰国することを前提をした制度~
●ICT(Intra-Corporate Transfers)労働力(企業内で派遣される駐在員等)
 ※労働市場審査あり
 ※最高3年間に限定
●特別被用者の一部
 ※オーペア,船員など
●社会奉仕者
 ※1年間に限定
●小学生・中学生・高校生・専門学校生
●大学生
●ICT労働力及び大学生の家族

(2)定住許可(Niederlassungsbewilligung)
~将来的に永住することを前提とした制度~
●ロート・ヴァイス・ロート・カード(キーパーソン)対象者
1.特別高技能者
2.人材不足専門技術者
3.オーストリアの大学修了者
4.その他のキーパーソン
5.自営業者
 ※1~4は点数制度で基準点以上が必要
 ※4は労働市場審査,5は経済効果審査あり
●EUブルーカード(EU指令に基づくキーパーソン)対象者
   ※高額給与及び高学歴が条件
   ※労働市場審査あり
●ロート・ヴァイス・ロート・カード・プラス対象者
1.ロート・ヴァイス・ロート・カード所有者の家族 
2.EUブルーカード所有者の家族
3.ロート・ヴァイス・ロート・カードから書換え可能
4.EUブルーカードから書換え可能
●特別被用者(Sonderfälle unselbständiger Erwerbstätigkeit)の大部分及びその家族
 ※国際機関職員,メディア関係者,教員など
●欧州経済圏市民・オーストリア人の家族
●芸術家及びその家族
●研究者及びその家族
●EU永住権(EU指令に基づく)対象者
 ※上記在留権で継続的に5年の定住が条件

2.在留権の申請方法
(1) 在留権申請場所
  ・原則,オーストリアの在外公館で初回申請するが,査証なしで入国可能な国籍所有者はオーストリアで初回申請することが可能。
  ・オーストリアで初回申請する場合,査証なしで滞在可能な期間内に在留権を取得することに留意(日本人は6ヶ月以内,その後は不法滞在となる)。
  ・更新申請の場合は当局の判断が下るまで滞在することが可能。

(2)必要書類(在京オーストリア大使館ホームページより抜粋)
 書類はオリジナルとコピーの両方を提出
• 申請用紙 (ダウンロード可 ダウンロード欄参照)
• 写真1枚
• パスポート原本およびパスポートのコピー (白紙以外全ページ)
• 戸籍抄本または複数の家族で申請する場合は戸籍謄本 (注1)
• 住民票 (オーストリアで直接申請する場合はオーストリアのMeldezettel
 (注1)
• 現地の住居証明
• 労働許可証 (注2) / 入学許可証・在籍証明書 / 受け入れ証明 (Invitation letter 等)
• 経済的証明書(オーストリアの銀行の残高証明・奨学金の証明・会社の給与証明等)(注1)
• 健康保険加入証明書 ( オーストリアの健康保険(強制、任意)、あるいはそれに匹敵するオーストリアで有効な、支払い保証付きの無制限の健康保険;
注意:海外旅行保険は不可になりました) (注1)
• 無犯罪証明書(注3)
(注1) 添付書類がドイツ語以外の場合、認証訳文を要する。(無犯罪証明書を除く) 戸籍などは日本国外務省のハーグ条約(公印の認証不要条約)によるアポスティーユを要する 訳文認証は原則的に下記の機関又は個人によって作成される。
オーストリア国内の場合: 法廷翻訳者・通訳者
  (注2) 雇用主がオ−ストリアのArbeitsmarkt Service(AMS)に申請するもの
(注3) 都道府県警察本部で申請・取得 (要アポスティーユ;翻訳不要;交付後3ヶ月以内のもの)

3.健康保険要件の厳格化
(1)在留権を取得するために,駐在員等の就労者は原則として健康保険,年金保険,失業保険,労災保険がパッケージになった社会保険への加入を義務付けられている。一方,特別被用者,研究者及び学生はパッケージになった社会保険への加入は義務づけられていないが,在留権を取得するためには健康保険に任意加入する必要がある。
(2)従来,任意加入の健康保険として日本で加入した民間健康保険や旅行保険が認められていたが,2015年6月18日の最高裁判決及び2016年12月7日の行政裁判所判決を受け,在留権を取得するための健康保険としては,原則としてオーストリアの公的健康保険及びこれに準ずる民間健康保険のみが認められることとなった。
 (3)特別被用者または研究者がオーストリアの公的健康保険に任意加入した場合は,保険加入後6ヵ月を経ないと補償が開始されないため,公的健康保険の補償が開始されるまでの間,オーストリアの民間健康保険に加入する必要がある。

4.ドイツ語履修義務対象者の変更
(1)法改正(2017年10月1日施行)
   ・特別被用者の大半が取得しなければならない在留権のカテゴリーが在留許可から定住許可に移行した(定住・在留法第43条b)。さらに,研究者と芸術家のカテゴリーも在留許可から定住許可に移行した。
  ・これに伴い,定住許可のカテゴリーに移行した特別被用者及び芸術家に対して新たにドイツ語(A1レベル)能力の証明書提出及びドイツ語(A2レベル)等履修(注)が義務付けられることとなった(定住・在留法第21条a及び統合法第9条第1項)が,研究者は履修済みとみなされる。

(2)定住許可申請時に初級ドイツ語(A1レベル)能力の証明書提出を義務付けられる。ただし,オーストリアの大学入学資格に相当する学力証明を提示すれば,ドイツ語能力の証明書の提出は免除され得るが,日本の大学の卒業証明書等の場合は科学・研究・経済省による比較認証を受けて,オーストリアの大学入学資格に相当することの認定を受ける必要がある。同省サイトhttps://www.aais.at/ から認定申請が出来る。
必要書類:住民票(Meldebestätigung),卒業証明書及び成績証明書,有資格者による独語訳(日本語の証明書の場合),当館発行印章証明, 旅券
手数料:1申請につき証明書2通まで150ユーロ,3通以上200ユーロ

(3)日本の大学等の卒業証明書がオーストリアの大学入学資格に相当する学力証明として認められ,定住許可が発給されると,2年以内にドイツ語の能力をA2レベル(日常会話,簡単な読み書きレベル)に向上させる義務も履行済みとみなされるが,5年在留後に永住権を取得する場合はドイツ語能力をB1(中級)レベルに引き上げていることが条件とされる(注)。

(注)オーストリア統合基金(Österreichische Integrationsfonds:ÖIF)が証明書を発行します。
(同基金サイトhttps://sprachportal.integrationsfonds.at/english.html)