大使 - スピーチ・寄稿

着任のご挨拶

このたび在オーストリア大使として10月4日に着任しました小井沼紀芳です。前任地はアフリカのザンビアで3年間勤務しました。オーストリアは私の最初の任地で、35年ほど前に2年間勤務をしました。その後、2000年前後に在ウィーン日本政府代表部に勤務しましたので今回が3回目となります。この美しい国土と、長い歴史と豊かな芸術にあふれたオーストリアに再び勤務できることを大変に喜んでおります。

しかしながらオーストリア、また欧州連合はギリシャ危機に端を発した域内経済格差、中東を中心とした内戦、テロリズムに起因する大量の難民の流入にさらされ、内向き、あるいは排外的な空気に包まれてきていることも事実です。戦後自由と民主主義、人権尊重を旗印に東西冷戦をくぐり抜け、欧州連合と立ち上げ、ユーロという共通通貨を導入、世界に大きな影響力を発揮してきた欧州は今揺れ動いています。今年はオーストリアの大統領選挙、来年はドイツの連邦議会選挙、フランスの大統領選挙と欧州は政治的にきわめて重要な時期にさしかかっています。

他方で、我が国日本も長引く経済の停滞、東アジアでの安全保障環境の急激な変化にさらされ、新しい国際秩序の構築にいかに参画していくかが問われているといえるでしょう。このように世界のグローバル化に伴い大きな課題に直面している日本と欧州、そして日本とオーストリアの関係も今後変わっていくことでしょう。日本とオーストリアは1869年の修好通商航海条約の締結から2019年で150周年を迎えます。この節目となる年に過去の両国関係を振り返り、未来の両国関係を考えることは非常に重要なことと考えます。どのような行事を行うべきなのか、オーストリア政府、在留邦人の皆様ともよく相談させていただきながら考えていきたいと思っています。

皆様、これからどうかよろしくお願いいたします。

2016年10月31日
駐オーストリア特命全権大使
小井沼     紀芳